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ちのもじ
血の文字
黒岩 涙香
Read 血の文字 (ちのもじ) by 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 44,021 characters · 87 screens
に就きました、ですが唯た一つ悪い事にはあの年に成て猶だ女の後を追掛る癖が止みませんから私しは時々年に恥ても少しは謹むが好ろうと云いました、ですが誰でも落度は有る者で夫に若い頃の商売が商売で女には彼是れ云れた方ですから言えば無理も有りますまいが」と云い少し笑いを催し来れど目科は極めて真面目にて「して梅五郎の許へは沢山尋ねて来る人が有たのか女「はい有ッても極極僅かです其うちで屡々来るのが甥の藻西太郎さんで、土曜日の度には必ず老人に呼ばれてラシウル料理店へ中食に行きました目「甥と老人との間柄は女「此上も無く好い仲でした目「是までに言争いでも仕た事は女「決して有りません、尤もお倉さんの事に就ては両方の言う事が折合ませんですけれど目「お倉さんとは誰の事だ女「藻西太郎さんの細君です、実に奇麗な女ですよ。あの様なのが先ア立派な女と云うのでしょう、夫に外に悪い癖は有りませんけれど其お倉さんも大変な衣服蕩楽で藻西太郎さんの身代に釣あわぬほど立派な身姿をして居ますから綺倆が一層引立ちます、ですから全体云えば老人が大層誉め無ければ成らぬ