Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
けつえきがたさつじんじけん
血液型殺人事件
甲賀 三郎
Read 血液型殺人事件 (けつえきがたさつじんじけん) by 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 35,256 characters · 71 screens
刑事はそのモダンボーイのような服装とはうって変った、鋭い眼でジロリと私を見て、
「署でゆっくりお話しますから、兎に角お出下さい」
そこで私はそこそこに仕度をして、半ば夢心地で、S署に連れて行かれたのだった。
私は暫く待たされた後、調室に呼ばれた。頭髪を短く刈った、肩の角張ったいかにも警察官らしい人が、粗末な机の向うに座っていた。別に誰とも名乗らなかったが、話のうちに、それが署長であることが分った。
「あなたは昨夜毛沼博士を自宅まで送ったそうですね」
署長の質問も先刻刑事のいった通りの言葉で始まった。
「はア」
「何時頃でしたか」
「十時過ぎだったと思います」
と、この時に博士邸の寝室に置いてあった時計を思い出したので、
「そうでした、寝室を出る時に、確か十時三十五分でした」
「そうすると、会場を出たのは」
「円タクで十分位の距離ですから、十時二十五分頃に出た事になります」
「どういう会合だったのですか」
「医科の学生で、M高出身の者の懇親会でした」
「何名位集まりました?」
「学生は十四五名でした。教授が毛沼博士と笠神博士の二人、他に助教授が一人、助手が一人、M高出身がいるのですけれども、差支えで欠席でした」