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おやはながめてかんがえている
親は眺めて考えている
金森 徳次郎
Read 親は眺めて考えている (おやはながめてかんがえている) by 金森 徳次郎 (かなもりとくじろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 14,403 characters · 29 screens
これは特に顕著ではないが、いわゆる「あまのじゃく」性を相当もっている。例えば雑誌社などから、家族の集団写真を撮りにくると、頑として仲間に入らない。営利の手段の中に参加することを、いさぎよしとせぬのであろう。この気持ちは私によくわかる。しかし事自身が悪いことでもないのだから、社会的調和性があるなら、譲歩出来ぬほどのことでもない。青年が、正義を愛することは正しい傾向だが、小正義を偏愛することは大乗的でない。社会を尊重する気分が発達すれば、いくらか変化するのだろう。小骨の多過ぎる魚は、最上の食味ではない。
博雄は、友人の間に寛容であるらしい。そして子供らしい親切さと、忠実さをもって交際するとの噂であり、友人たちからこれを容認されている。これは前述の反抗性と矛盾するようだが、それだけに複雑なのだろう。将来の改善の見込があるといえる。なにしろその出生前に、父親の頭の中に潜在していた反抗意識が、影印しているとすると父親の責任だ。
博雄は、数学や物理などに、理解力が発達しているようだ。これは近代人に好ましい能力であるが、果してどの位のものか、さきの職人性と組みあわせ考えて、限界面の低いものではないかと心配する。