Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
かいのあなにかっぱのいること
貝の穴に河童の居る事
泉 鏡花
Read 貝の穴に河童の居る事 (かいのあなにかっぱのいること) by 泉 鏡花 (いずみきょうか) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 16,260 characters · 32 screens
屈むが膝を抱く。――その時、段の隅に、油差に添えて燈心をさし置いたのである。――
「和郎はの。」
「三里離れた処でしゅ。――国境の、水溜りのものでございまっしゅ。」
「ほ、ほ、印旛沼、手賀沼の一族でそうろよな、様子を見ればの。」
「赤沼の若いもの、三郎でっしゅ。」
「河童衆、ようござった。さて、あれで見れば、石段を上らしゃるが、いこう大儀そうにあった、若いにの。……和郎たち、空を飛ぶ心得があろうものを。」
「神職様、おおせでっしゅ。――自動車に轢かれたほど、身体に怪我はあるでしゅが、梅雨空を泳ぐなら、鳶烏に負けんでしゅ。お鳥居より式台へ掛らずに、樹の上から飛込んでは、お姫様に、失礼でっしゅ、と存じてでっしゅ。」
「ほ、ほう、しんびょう。」
ほくほくと頷いた。
「きものも、灰塚の森の中で、古案山子を剥いだでしゅ。」
「しんびょう、しんびょう……奇特なや、忰。……何、それで大怪我じゃと――何としたの。」
「それでしゅ、それでしゅから、お願いに参ったでしゅ。」
「この老ぼれには何も叶わぬ。いずれ、姫神への願いじゃろ。お取次を申そうじゃが、忰、趣は――お薬かの。」
「薬でないでしゅ。