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くまとしゃしょう
赤い鳥代表作集 2
木内 高音
Read 赤い鳥代表作集 2 (くまとしゃしょう) by 木内 高音 (きうちたかね) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 14,043 characters · 29 screens
商売というものが、どうしても、こういうことを見越してしなければならないものだったら、なんといういやなことだろう。
しかし、要吉は、水菓子屋の店をとびだすわけにはいきませんでした。要吉が徴兵検査まで勤めあげるという約束で、要吉の父は、水菓子屋の主人から何百円かのお金をかりたのです。
いくら考えても、要吉には、商売のためにはたべられるものを、くさらせていいというりくつはわかりませんでした。
「大きくなったらわかるだろう。」要吉はそういって自分をなぐさめるよりほかはありませんでした。
「それに年期があけたら、自分でひとつ店をだすんだ。そうすればけっして、品物をむざむざとくさらせるようなことはしやしない。くさりそうだったら、ただでも人にたべてもらう。」
要吉はそうも考えてみました。しかし、それは、要吉が大きくなってみなければ、できることだかどうだかわかりません。
「……その上に、おやしきなどで、たべもせずにすててしまうのは、いったいどうしたことだろう。」
これは、なおさら要吉ひとりきりでは解決できない問題でした。要吉は、女中の平気な顔を思いだすと、ただなんとなく、腹がたってたまりませんでした。