Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

せきがいせんおとこ

赤外線男

海野 十三

Read 赤外線男 (せきがいせんおとこ) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 38,889 characters · 78 screens

Aozora Bunko

それを聞いて同胞は、夢のように喜び合ったわけでございますが、一方に於きまして、真にどうも……」と隅田乙吉は下を向いて恐れ入った。

「莫迦な奴ッ」と宿直が呶鳴った。「では昨夜本署から引取っていった若い女の轢死体というのは、お前の妹ではなかったというのだな」

「どうも何ともはや……」

「何ともはやで、済むと思うかッ」宿直はあとでジロリと一座の署員を睨みまわした。昨夜の当直の名を大声で云って、(馬鹿野郎)と叩きつけたい位だった。他人の死骸を引取って行った奴も奴なら、引取らした奴も奴である。

「昨夜この男がデスナ」と側らの刑事が弁解らしく口を挿んだ。「轢死婦人の衣類や所持品を一々点検しまして、これは全部妹の持ち物に違いない。このコンパクトがどうの、この帯どめがどうのと本当らしいことを云っていったのです。ですから昨夜の当直も信じられたのだと思います」

「イヤ全く、あれは本当なのです」と隅田乙吉がたまりかねて声をあげた。「あれは出鱈目でなくて間違いないのです。妹のものに違いないのですが、さっき漂然と帰宅した本物の妹も、あれと同じ衣類を着、同じハンドバッグや、コンパクトなどを持っているのです。