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おどるちへいせん
踊る地平線(下)
谷 譲次
Read 踊る地平線(下) (おどるちへいせん) by 谷 譲次 (たにじょうじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 141,823 characters · 283 screens
放浪者の特権。小黒帽をかぶってCAPAを翻してるDONホルヘ――私――の上に太陽が焼け、下には赤い敷石が焼けて、私の感覚も、「すぺいん」を吸収して今にも引火しそうだ。
太陽・紺碧――闘牛日!
歌って来る一団の青年。
声が街上の私を包囲する。
亜弗利加の陣営で
ある西班牙兵士の唄える――。
南方へレス産の黄葡萄酒、
北方リオハ産の赤葡萄酒。
この赤とこの黄と。
われらが祖国いすぱにあの国旗!
――なんかと、国旗の色をぶどう酒で識別して悦んでる。が、じつを言うと、西班牙の国旗は、鮮血を流して黄金を取りに行くという世にも正直な、そしてすぺいんらしい物騒な欲望を寓意して、そこで、赤と黄から出来上ってるのだ。しかし、それはそれとして、その赤葡萄酒と黄葡萄酒、鮮血と黄金の無数の旗が、きょう同国首府マドリッドの大通りにやたらにひらひらして、こうしてそこのアルカラ大街の雑沓に紛れ込んでるドン・ホルヘ―― Don George ――の耳に、「海賊の唄」と題するくだんのモロッコ従軍歌が、いま糖蜜のようなイベリヤ半島の烈日に熔けて爆発している――AA! 闘牛日のMADRID!
欧羅巴はピラネエ山脈に終り、あふりかはピラネエ山脈にはじまることの、西班牙は「白い大陸」