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こんどういさみとかがく

近藤勇と科学

直木 三十五

Read 近藤勇と科学 (こんどういさみとかがく) by 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 13,465 characters · 28 screens

Aozora Bunko

「御旗本か」

「はい」

「何か手柄したか」

「中々、鉄砲が――」

「鉄砲が、恐ろしいか」

「貴下方のように、胆が勝れていませんので、つい――」

土方が

「鉄砲は、胆を選り好みしないよ」

「あはははは」

と、大声で笑った。

川堤には、引っきり無しに、敗兵が、走ったり、歩いたり、肩にすがったり、跛を引いたり――ある者は何の武器も持たず、ある者は、槍を杖に――川の方を眺め乍ら、つづいて居た。

微かに、大砲の音が、時々響いてきた。

四

天満橋も、高麗橋も、思案橋も、舟の着く所は、悉く、舟だった。船頭の叫びと、人々の周章てた声と、手足と、荷物と、怒りと、喧嘩とで充満していた。

新撰組の人々は、槍で、手で、他の舟を押除けながら、石垣の方へ、近づけた。町人の女房が、子供が、男が、老人が、風呂敷包を背に、行李を肩に

「岩田屋の船頭はん、何処やあ」

とか

「この子、しっかり、手もってんか、はぐれたら、知らんし」

とか、叫び乍ら、自分の舟へ、人混の中を押合って降りていた。そして、舟から上る人と、下りる人とが、ぶつかり合った。

「上り舟や、客はないか」

と、船頭が叫んだ。それを、橋の上から