Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
めいしんとしゅうきょう
迷信と宗教
井上 円了
Read 迷信と宗教 (めいしんとしゅうきょう) by 井上 円了 (いのうええんりょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 151,147 characters · 298 screens
その厄払いをするには、赤飯を携えて石の鳥居を七カ所くぐり、各所へ赤飯を差し上げねばならぬというところから、若い婦人は毎日誘い合わせて、石の鳥居をたずね回る騒ぎの最中であった。その原因は不明なれども、その年の初めに彗星が見えたことがある。多分これについて、右ようの俗説を生み出したかと思わる。いずれにしても、迷信家の多いのには驚かざるを得ない。
これに類したる話は、余が近年埼玉県秩父郡内を巡講するとき、その地方の村々にて、熊谷方面より化け物が襲ってくるとの伝説が盛んに伝わっていた。これは後に聞くと、余は世間にて妖怪博士と呼ばれているから、妖怪博士が入り来るとの風説が誤伝したのであったそうだ。実に抱腹の至りである。
ついでに、今一つおもしろい迷信談を申しておこう。埼玉県大里郡内に妻沼という村がある。この村に聖天を祭っている名高い寺があって、信者もすこぶる多い。その氏子に属する村落にては、雉子を崇敬することと松の木を忌み嫌うことがはなはだしい。その原因は明らかならざれども、俗説によると、雉子は聖天様の愛する鳥ということだ。
また松に至っては、むかし聖天様が松の葉によって目をつかれ、御悩みになったことがあるといい、あるいは聖天様は願を掛くれば、すぐに福を与えて下さるから、待つには及ばぬということより、松を嫌うよう