Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
Read 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) by 林 不忘 (はやしふぼう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 14,319 characters · 29 screens
「犬でげすけえ?」
「うん。」
「どこから銜えて来たもんかそいつあ闇雲わからねえが、発見た野郎の口っ振りじゃあなんでも小舟町――。」
「小舟町?」
「へえ。」
「この御呪文も小舟町――。」と言いかけた藤吉の言葉に、他の四つの眼もぎらりと光る。彦兵衛は片身をぐっと前へのめらして下から藤吉を見上げながら、
「親分、この二つになんぞ聯結でも、いやさ、あると言うんでごぜえますかえ?」
眼を瞑ったまま藤吉は答えない。団扇を持つ勘次の手もいつしか肘張って動かなかった。
小舟町三丁目、俗に言う照降町の磯屋の新造でおりんという二十五になる女が二月ほど前に行方不知になった。それからこっち後を引いてか、当歳から若年増、それも揃いも揃って女ばかりがすでに七人もこの神隠しの犠牲に上ったのであった。
近ごろの新身御供は四日前に二人。安針町の大工の出戻娘お滝と本船町三寸師の娘お久美。お滝は伝通院傍へ用達しに行った帰途を伝馬町で見かけた知人があるというきり、お久美坊は酒買いに出たまんまとんと行方が知れない。お滝は二十五、お久美は十三だった。
昨日浚われた嬰児はお鈴と言って、土用の入りに生れたばかり、子守をつけて伊勢町河岸の材木場へ遊びに出しておいたのが、物の小半時もして子守独りがぼんやり帰って来たから不審に思って訊き質すと、ちょっと赤児を積材の