Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ぶくぶくながながひのめこぞう
鈴木三重吉童話集
鈴木 三重吉
Read 鈴木三重吉童話集 (ぶくぶくながながひのめこぞう) by 鈴木 三重吉 (すずきみえきち) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 58,287 characters · 119 screens
ふとしてくび輪をつけわすれたりしていたために、野犬としてつかまえていかれた場合には、警察へいって罰金をおさめると、はこから出してわたしてくれるのでした。町の人たちの中には、このとりしまり法のために、たとえ野犬でも、いつも来なれていた犬がどんどんひっくくられていくので、恐水病のおそれよりもまえに、じつにひどいことをすると言って、警察へ悪感情をいだくものがずいぶんいました。
或日、そのほろ馬車の一つが、びっこの馬へびしびしむちを入れながら、でこぼこのしき石の上をがたがたと、肉屋のとおりへはいって来ました。
「やあ、来た来た、犬殺しの馬車が来た。」と、向いの人が往来でどなりました。肉屋は、
「どら。」と言って出て見ました。馬車のうしろには巡査が乗って、野犬はいないかと目を光らせています。
「だんな、うちの犬が二ひきとも見えないがだいじょうぶでしょうか。」と店のものが言いました。
「何。あいつは二ひきともきびんだからだいじょうぶだよ。」と言っているうちに、馬車は、十四、五間手前で、ぱたりととまりました。
「おや。」と思って見ていますと、巡査は、先に針金の輪のついた、へんな棒きれをもったまま、馬車を下りて、そこの横丁へはいっていきました。