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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Read 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) by 国枝 史郎 (くにえだしろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 106,745 characters · 216 screens
「ああこれで胸に落ちた」こう紫紐丹左衛門がいった。
北町奉行所の役宅であった。
その一室に坐っているのは、奉行曲淵甲斐守であった。銅銭会縁起録が開かれたまま、膝の上に乗っていた。
「往昔福建省福州府、浦田県九連山山中に、少林寺と称する大寺あり。堂塔伽藍樹間に聳え、人をして崇敬せしむるものあり。達尊爺々の創建せるも技一千数百年の星霜を経。僧侶数百の武に長じ、軍略剣法方術に達す。
康帝の治世に西蔵叛す。官軍ことごとく撃退さる。由って皇帝諸国に令し、賊滅するものを求めしむ。少林寺の豪僧百二十八人、招に応じて難に赴く。国境に至りて大いに戦い、敵国をして降を乞わしむ。皇帝喜び賞を与え僧を少林寺に帰さんとす。隆文耀、張近秋、二人の大官皇帝に讒し、少林寺の僧を殺さしむ。
兵を発して少林寺を焼く、蔡徳忠、方大洪、馬超興、胡徳帝、李式開の五人の僧、兵燹をのがれて諸国を流浪し同志を語らい復讐に努む。すなわち清朝を仆さんとするなり。この結社を三合会また一名銅銭会と称す」
これがきわめて簡単な、銅銭会の縁起であって、今日に至るまでの紆余曲折が詳しく書物には記されてあった。