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もみじぞめたきのしらいと
錦染滝白糸
泉 鏡花
Read 錦染滝白糸 (もみじぞめたきのしらいと) by 泉 鏡花 (いずみきょうか) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 7,614 characters · 16 screens
七左 ははっ、奥さん。(と倒になる。)
撫子 (手を支えたるまま、つつと退る。)
村越 父、母の御懇意。伯父さん同然な方だ。――高原さん……それは余所の娘です。
七左 (高らかに笑う)はッはッはッ、いずれ、そりゃ、そりゃ、いずれ、はッはッはッはッ。一度は余所の娘御には相違ないてな。いや、婆どのも、かげながら伝え聞いて申しておる。村越の御子息が、目のあたり立身出世は格別じゃ、が、就中、豪いのはこの働きじゃ。万一この手廻しがのうてみさっしゃい、団子噛るにも、蕎麦を食うにも、以来、欣弥さんの嫁御の事で胸が詰る。しかる処へ、奥方連のお乗込みは、これは学問修業より、槍先の功名、と称えて可い、とこう云うてな。
この間に、おりく茶を運ぶ、がぶりとのむ。
はッはッはッはッ。
撫子弱っている。
村越 (額に手を当て)いや、召使い……なんですよ。
七左 いずれそりゃ、そりゃいずれ、はッはッはッ、若いものの言う事は極っておる。――奥方、気にせまい。いずれそりゃ、田鼠化為鶉、雀入海中為蛤、とあってな、召つかいから奥方になる。――老人田舎もののしょうがには、山の芋を穿って鰻とする法を飲込んでいるて。