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やみよのうめ
闇夜の梅
三遊亭 円朝
Read 闇夜の梅 (やみよのうめ) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 22,133 characters · 44 screens
「心をぞわりなきものと思いぬる見る物からや恋しかるべき」で見る物も恋しく、心と云うものは別に形は無いが、善を見れば善に感じ、悪に出逢えば悪に染まる、されば己の好む所の境界が悪いと其の身を果すような事もあるのでございます。
粂之助は奉公中主人の娘お梅に想われたのが、因果の始りでござりまして、自分も済まない事と観念を致したから、兄玄道の側へ参り、小さくなって、温順しく時節到来を待って居ました、所へ千駄木の植木屋九兵衞というものが参り、
九「昨晩お嬢様がお出になりましたから、私が何処へでもお逃し申すようにするゆえ、金子の才覚をして来い」
と云うので、態とお梅の巾着の中に三両ばかり入れた儘置いて帰った。是が九兵衞の企みのある処でござります。此方はまだ年が若いから、何の気も附かず、是は全くお梅から届けたものと心得て、前後の思慮も浅く、其の巾着の内へ、本堂再建の普請金八十両というものを盗み出して押込み、これを懐へ入れて置いたのが、立上る機勢にドサリと落ちたから番頭はこゝぞと思って右の巾着を主婦の前へ突付けたり、鳶頭にも見せたりして居丈高になり、