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きりがくれいかほのゆけぶり
霧陰伊香保湯煙
三遊亭 円朝
Read 霧陰伊香保湯煙 (きりがくれいかほのゆけぶり) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 117,546 characters · 234 screens
依って東へ窓を開け、之をざまと云います。夏季蚊燻を致します。此の蚊燻の事を、彼地ではくすべと申します。雨が降ったり暗かったりすると、誠に織り辛いと申しますが、何か唄をうたわなければ退屈致します処から、機織唄がございます。大きな声を出して見えもなく皆唄って居ります様子は見て居りますると中々面白いもので、「機が織りたや織神さまと、何卒日機の織れるよに」と云う唄が有ります。また小倉織と云う織方の唄は少し違って居ります。「可愛い男に新田山通い小倉峠が淋しかろ」、これは新田山と桐生の間に小倉峠と云う処がございます。是は桐生の人に聞きましたが、囃がございますが、少し字詰りに云わなければ云えません、「桐生で名高き入山書上の番頭さんの女房に成って見たいと丑の時参りをして見たけれども未だに添われぬ」トン/\パタ/\と遣るのですが、まことに妙な唄で。偖、足利の町から三十一町、行道山の方へ参ります道に江川村と云う所が有ります。此処に奧木佐十郎と云って年齢六十に成る極く堅人がございます。旧は戸田様の御家来で三十石も頂戴したもので、明治の時勢に相成りましたから、何か商売を為なければならんと云うと、機場のこと故、少しは慣れて居りますから、忰の茂之助を相手に織娘を抱えて機屋をいたしますと、明治の始めあたりは、