Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
あおべかにっき
青べか日記
山本 周五郎
Read 青べか日記 (あおべかにっき) by 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 37,334 characters · 76 screens
夕食にはカツレツと飯を喰べ林檎を齧った。そして牛乳を飲んだ。一時癒った嗽がまた出はじめた。今年の夏はとうとう微恙の内に暮した、ばかばかしい事だった。さて今夜も早く寝よう。(一〇、一二)
もう良い。嗽は直らない。一日具合が良かった。風呂に入った。一日内牛乳と林檎と麺麭とチョコレートで暮した。夕食は高梨の家で喰べた。鰯の焼いたのと、つみ入れの汁物と、乾物とで茶漬を喰べた。久し振りでうまかった。食後の葡萄もうまかった。今日は三枚ばかりスケッチをした。一枚よく出来たのがある。『貝を買う船』と云うのがそれだ。小説の材料として「灰焼場の男」Xさん、裸の男、無遠慮人を斬った話、仲間の妻君を――、釜の中で死んでいる。その他。別に何も為なかった。
「田沼」二枚書き出した、うまくゆかぬ、東京へ帰ってからだ、早く東京へ帰ろう。そして為事だ、為事だ。ああ、池谷信三郎が借金で生活していると。そして曰く「此処で食えなければ何処へでも行く、己は日本の信三郎だ」と。呵々貧乏をすると誰でもそう云う、信三郎よ、卿も始めて人間となったか。幸あれ、坊っちゃん。君は間もなく真の人生を見るだろう。