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『しゅっけとそのでし』のついおく
青春をいかに生きるか
倉田 百三
Read 青春をいかに生きるか (『しゅっけとそのでし』のついおく) by 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 94,413 characters · 190 screens
映画にとりたいという申込みはそのころよくあったが私はことわってきた。そのころの映画はまだ幼稚だったし、トーキーもなかった。
トーキーでやれば、『出家とその弟子』は、きっと成功すると私は思っている。それはこの作が芝居で困難なのは動きの少ない対話のシーンが多いからだが、映画なら大うつしがきくし、トーキーならその単調さが救われるからだ。寺の本堂、廊下、仏像なども立体的に、いろいろな角度や、光りでとれるからだ。それは『アジアの嵐』などでもわかる。どこかですぐれた監督が映画にするといいと思う。一昨年PCLから申込みがあったが、どうしたわけかそのままになっている。
芝居では村田実の唯円には、音羽かね子がかえでをやり、山田隆弥の唯円には岡田嘉子がかえでをやった。森君の善鸞はよくやってくれた。やはり第一幕の日野左衛門の内と、第三幕の善鸞遊興の場と、四幕の黒谷墓地とが芝居として成功する。ハンドルングが多いからだ。しかし監督がよければ、演出次第で芝居としても成功しないはずはないと思うのだが、どういうものか。
ともかくもこの戯曲は純情がどれだけの作を産み得るかの指標といっていいだろう。