Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Read 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) by 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 13,040 characters · 26 screens
……両人は、辰の刻、お仮屋前にてお出むかいいたし、お鷹狩のあいだに代地ならびに代のかこいの検証をすませておく。午の下刻、上様ご中食の後、お仮屋青垣までお出ましになるが、特別の思召しをもって、垣そとにて両人に床几をさしゆるされる。……介添はおのおの一名かぎり。先番は籤にてきめ、各自、死体見分がおわらば、ただちに、御前にて吟味のしだいを披露いたす。……いかなる次第にて死亡いたしたものか。また、人手にかかったものならば、いかなる方法、いかなる理由によってかような無益なことをしたか、本末をわけ、明白なる理を推して、即座にお答え申しあげねばならぬ」
甲斐守は、緊張で蒼ざめた顔をふりあげて、
「さきほど相吟味、問答対決と仰せられましたのは?」
伊勢守はニンマリと笑って、
「そこが、真剣勝負。相手の吟味に異存あらば、反駁反撃は自由。相手が屈服するまで、討論いたしてさしつかえない」
「ははッ」
「吟味聞役は、佐田遠江守。審判役は手前があいつとめる。対決終了いたさば、石庵がお鶴の腑分をなし、両人吟味の実証をいたす。……勝をとったほうには、奉行へご褒美として時服ひと重。吟味のものには、黄金五枚、鶴の御酒一盞くだしたまわる。