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とりなくあさのちいこちゃん
鳥鳴く朝のちい子ちゃん
小川 未明
Read 鳥鳴く朝のちい子ちゃん (とりなくあさのちいこちゃん) by 小川 未明 (おがわみめい) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 3,583 characters · 8 screens
ちい子ちゃんは、きまりがわるくなりました。
「坊や、おいで。」
ちい子ちゃんは、坊やをつれて、教会堂の横手の方へいきました。そこには、桜の木があって、花が咲いていました。腰かけや、すべり台などがありました。
もう、花が、ちら、ちら散っています。坊やは、それを拾っていました。
「坊や、すわると、おべべが、よごれるよ。」
おばあさんが、大きな声でいいました。ちい子ちゃんは、ここなら、みんなのおじゃまにならぬと思って、安心していました。
ちい子ちゃんが、ベンチに腰かけていると、おばあさんが、そばへきて、
「あんたのおくつは新しいの、いつ買ってもらったの。」と、聞きました。
「こないだ、学校へ上がったときよ。」と、ちい子ちゃんは、答えました。
「いま、おくつは、お高くなったんでしょう。」と、おばあさんは、いろいろのことを話しました。坊やは、拾った花びらを、またまいていました。花びらは、ひらひらと白いちょうちょうのように、風に舞いました。
「ちい子ちゃん、あんた忘れたでしょう。小さいとき、道を歩いていて、前へいくよそのお姉さんを見て、お母さん、あんなくつよ、わたしほしいわといったことを。