Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
くろいちょうとおかあさん
黒いちょうとお母さん
小川 未明
Read 黒いちょうとお母さん (くろいちょうとおかあさん) by 小川 未明 (おがわみめい) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 2,136 characters · 5 screens
」と、太郎さんが教えました。
「山へいくとたくさん咲いているのだろうね。田舎へいってみたいもんだな。」
「年数の古いものほど、花がたくさん咲くのだそうだ。」
「うちのは、いくつついているかしらん。」
こんなことを兄弟が、話し合っているときに、ちょうど昨日の黒いちょうが、どこからかゆりの花を目ざして飛んできました。
「あ、くろあげはだ。静かにしていておくれ、僕いま網を持ってきて、つかまえるのだから……。」と、これを見つけた二郎さんは、目の色を変えて起ち上がりました。
「ばかなちょうだな、飛んでこなければいいのに……。」と、兄の太郎さんは舌打ちをしました。
「なにをいってんだい。僕いろいろな虫を採集して標本を造るんじゃないか。」
二郎さんは、はや、捕虫網を持ってきました。すると、突然お母さんが、
「あのちょうを捕ってはいけませんよ。あの黒いちょうは、毎日いまごろ、ゆりの花に飛んでくるのです。お母さんは、とうから気がついていました。」
これをきくと、太郎さんは、昨日ばかりでないのかと思いました。
「なぜ、とっていけないのですか。」と、二郎さんがたずねました。
「あのちょうは、お母さんですから。