Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ああぎょくはいにはなうけて

ああ玉杯に花うけて

佐藤 紅緑

Lesen Sie ああ玉杯に花うけて (ああぎょくはいにはなうけて) von 佐藤 紅緑 (さとうこうろく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.617 Zeichen · 250 Bildschirme

Aozora Bunko

「金持ちの家に生まれれば出来ない子でも大学までいける、貧乏人の子は学校へもいけない、かれらが学士になり博士になるときにもおれはやはり豆腐屋でいるだろう」

こう思うとなさけないような気が胸一ぱいになる。

「学校へいきたいな」

かれの帰り道は県庁の横手の小川の堤である、かれは堤の露草をふみふみぐったりと顔をたれて同じことをくりかえしくりかえし考えるのであった。

ときとしてかれは師範学校の裏手を通る、寄宿舎には灯影が並んでおりおりわかやかな唱歌の声が聞こえる。

「官費でいいから学校へゆきたい」

こうも考える、だがかれはすぐそれをうちけす。かれの目の前に伯父覚平の老顔がありありと見えるのである。

「おれが働かなきゃ、みなが食べていけない」

そこでかれは夕闇に残る西雲の微明に向かってらっぱをふく。らっぱの音は遠くの森にひびき、近くのわらやねに反響してわが胸に悲しい思いをうちかえす。

ある日伯父の覚平は突然かれにこういった。

「千三、おまえ学校へゆきたいだろうな」

「いいえ」とチビ公は答えた。

「おれだっておめえを豆腐屋にしたくないんだ、なあ千三、そのうちになんとかするから辛抱してくれ、そのかわりに夜学へいったらどうか、昼のつかれで眠たかろうが、一心にやればやれないこともなかろう」