Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ああぎょくはいにはなうけて

ああ玉杯に花うけて

佐藤 紅緑

Lesen Sie ああ玉杯に花うけて (ああぎょくはいにはなうけて) von 佐藤 紅緑 (さとうこうろく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.617 Zeichen · 250 Bildschirme

Aozora Bunko

「はあ」

千三は由緒書きなるものはなんであるかを知らなかった、でかれはそれをひらいた。

「村上天皇の皇子中務卿具平親王」

千三は最初の一段高く記した一行を読んでびっくりした。

「先生なんですか、これは」

「あとを読め」

「右大臣師房卿――後一条天皇のときはじめて源朝臣の姓を賜わる」

「へんなものですね」

先生は七輪の火をふいたので火の粉がぱちぱちと散った。

「――雅家、北畠と号す――北畠親房その子顕家、顕信、顕能の三子と共に南朝無二の忠臣、楠公父子と比肩すべきもの、神皇正統記を著わして皇国の正統をあきらかにす」

「北畠親房を知ってるか」

「よくは知りません、歴史で少しばかり」

「日本第一の忠臣を知らんか、そのあとを読め」

「親房の第二子顕信の子守親、陸奥守に任ぜらる……その孫武蔵に住み相模扇ヶ谷に転ず、上杉家に仕う、上杉家滅ぶるにおよび姓を扇に改め後青木に改む、……青木竜平――長男千三……チビ公と称す、懦弱取るに足らず……」

なべのいもは湯気を立ててふたはおどりあがった。先生はじっと千三の顔を見つめた。

「どうだ」

「先生!」

「きみの父祖は南朝の忠臣だ、きみの血の中に祖先の血が活きてるはずだ、きみの精神のうちに祖先の魂が残ってるはずだ、君は選ばれたる国民だ、大切な身体だ、日本になくてはならない身体だ、そうは思わんか」