Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ああぎょくはいにはなうけて

ああ玉杯に花うけて

佐藤 紅緑

Lesen Sie ああ玉杯に花うけて (ああぎょくはいにはなうけて) von 佐藤 紅緑 (さとうこうろく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.617 Zeichen · 250 Bildschirme

Aozora Bunko

「さようなら」

光一はたまらなくなって逃げだした。

「ばかにしてやがる、塾長があんな風だから弟子共までろくなものがない、あん畜生! チビのやつ、どこへいったろう」

光一は赫々と燃え立つ怒りにかられながら血眼になって千三を探しまわった、かれは大抵千三が散歩する道を知っていたので調神社の方へ走った。かれは夢中に並み木と並み木の間をのぞいたりお宮をぐるぐるまわったりした。と、かれはふと大きな松の下で人影を見た。

十二

わが妹を誘惑して堕落の境にひきこもうとしつつあるチビ公をさがしまわった光一がいま松の下陰で見たのはたしかに妹文子の片袖とえび茶のはかまである。

「ひとりだろうか、ふたりだろうか」

かれにはそれがわからなかった。十幾本となく並んだ松と松との間はせまい。

「どうしてこんなところへ来てるんだろう、多分チビと一緒だろう」

光一はこう考えた、だが急にふたりの前へ出たらふたりはおどろいて逃げるかもしれない。かれはこう思ってしずかに足をしのばした。と突然横合いの松かげから口笛が起こった。と思う間もなく石のつぶてが四方から飛んできた。

「だれだ」