Japanische Klassiker mit Furigana
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あすなろう
あすなろう
山本 周五郎
Lesen Sie あすなろう von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.925 Zeichen · 41 Bildschirme
「おい、おまえさんたち」岡っ引は客たちに向って云った、「こいつは見世物じゃあねえんだぜ、みんな飲み食いに来たんだろう、そんなら飲んだり食ったりしてえるがいい、こっちに気を使うこたあねえんだぜ」
客たちは顔をそむけ、急に思いだしたように、徳利や盃を取った。そこへ小女が、酒と肴の小皿を盆にのせて持って来、岡っ引の前へ並べた。
「帳場からです」と小女が云った、「どうぞ召上ってくださいましって」
「水をもう一杯くんな」と岡っ引は云った、「大きい湯呑のほうがいいぜ」
小女は去った。
「政、――」と岡っ引は云った、「四光の平次とどんな仕事をした」
政は腑におちない顔で相手を見た、「四光の平次ですって」
「しらばっくれるな」
「知りませんよ、あっしはそんな人間は見たこともありません」
「しらばっくれるなってんだ」岡っ引の上唇が捲れて、莨のやにの付いた歯が見えた、「てめえが昨日からいっしょだったことは、ちゃんとこの眼で見ているんだぞ」
「だってあっしは」と云いかけて政は眼をみはった、「――いまの、文次ですか」
「四光の平次だ」
「だってあれは、京橋白魚河岸の、指物師で」