Japanische Klassiker mit Furigana
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あとのまつり
あとの祭り
山之口 貘
Lesen Sie あとの祭り (あとのまつり) von 山之口 貘 (やまのくちばく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.099 Zeichen · 4 Bildschirme
すると、ミミコは、眼をまるくしてみせながら、ぼくの耳もとに口をもって来て言った。「どろぼうだって。」ぼくは起きあがると、「どこに?」と言った。
「うちにきまってるじゃありませんか。」と、横から女房がそう言った。ぼくは、昨夜は、三時すぎまで仕事をしていたのである。
「明け方やられたんだね。」
「さあ。」女房は、そう言ってから、「そっちの部屋らしいです。」と言った。その部屋は、ぼくらが寝るときの足もとに当り、廊下をへだてた障子張りの部屋なのだ。そこは家主さんが使っていて、箪笥や長持その他の物が置いてあった。親子三人は廊下に出てその部屋をのぞいたが、家主さん達が、泥棒に引掻き回されたあとを調べているところなのであった。
女房の話によると、どしんと音がしたようであったが、いつものようにおとうさんがまたうなされて、足でもばたつかせたのかとおもい、そのまま寝入ってしまったとのことである。
「あのときの音が、きっとそうだったんでしょうね。」
あとの祭りみたいなことを、女房は言ったのであるが、泥棒は、あるいは、ついどしんと降り立ったのかも知れなかった。窓際の畳の上には、そこに音でも立てたみたいな、大きな地下足袋の跡が、どしんと押されていたからなのである。