Japanische Klassiker mit Furigana
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あまりもの
あまり者
徳永 直
Lesen Sie あまり者 (あまりもの) von 徳永 直 (とくながすなお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.421 Zeichen · 17 Bildschirme
膝から腰へ、腰から腕へ持ちあげて来たが、とても腰がきれそうにもなかった。私は「止せ、止せ」と叫んだ。
胸まで持ちあげただけでも、充分であった。然し若い者は誰一人声援する者もなかった。気取った村の娘たちは、力んで顔をくの字なりに、ヒン曲げた兵さんを、あわれむように見ていた。
呼吸を矯めていた、兵さんは、ウンと唸りながら、殆んど奇蹟的な力で腰をきった。が、石は肩に乗り切らないで背後に、辷った。
恐ろしい渾身の力であった。が、若い者も娘も一斉に笑いだした。それは、腰をきる際に無理な筋肉の緊張のために、プッと屁を放ったのが可笑しかったらしい。
私は見ていられないで、兵さんを引ッ張ってその境内を出た。
「兵さん、あの石を、四郎次にブッつけてやればいいんだ!」
兵さんは、キョトンとして、私を見返した。
「おめえ、飼馬よりも馬鹿にされてんだぞ、馬鹿に……おい」
暗がりで、私は泣きながら、兵さんの胸倉を押し揺すぶった。