Japanische Klassiker mit Furigana
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あまりもの
あまり者
徳永 直
Lesen Sie あまり者 (あまりもの) von 徳永 直 (とくながすなお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.421 Zeichen · 17 Bildschirme
父は案の定、大きな声で兵さんを怒鳴りつけた。然し、兵さんは黙っていた。
やがて、母が、その滴れが落ちたところを拭こうとしたら、どこにもそれが見つからない、ランプの真下には、兵さんが坐って飯を食っているのだった。
「どうしたんだろう」
母は、しきりと不思議がった。そしたら兵さんは、おずおずと言った。
「私が、茶碗の中へ落して、食べました」
父も母も驚いて、大騒ぎして、薬をのんで、はきだして終えと言って、すすめたが、むっつりした兵さんは、やっぱり我慢していた。
その晩中、気色悪るそうにしていたが、翌朝は、何時ものように働いていた。
何時も母は、兵さんの背に弟を渡して、帯を結びつけてやるときは、
「遠出してはならないよ、日が暮れるまでには、一度乳を飲ませに来なきゃあ駄目だよ」
と言ってやるのだった。然し兵さんは、一旦、弟を負って村の方へ遊びに出ると、そんな事は何時も忘れていた。四ツばかり年下である私が、後を追っかけて跟けて行きたがると、兵さんは、田圃の稲のかげなどにかくれて、すぐ私をまいて終った。そして背で弟が泣こうが、眠ろうが問題にせないで、どんどん田圃を横切り、川のあたりを越えて隣り村まで遊びに行き、よく喧嘩したり物をかっさらったりして来た。