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Japanische Klassiker mit Furigana

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あめんちあ

あめんちあ

富ノ沢 麟太郎

Lesen Sie あめんちあ von 富ノ沢 麟太郎 (とみのさわりんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.594 Zeichen · 83 Bildschirme

Aozora Bunko

彼は自分の噎び泣きさえ感じないほどの反動的の静寂のなかへ浸り切って、無意識のうちに噎び泣きしていた。

*

彼が東京のイルミネイションを見なくなってから二週間以上にもなっていた。

彼のいま住んでいる町――東京に接続した西北の町は、秋の荷の往復でせわしい。

遠くの森の色は色褪せはじめた。

秋の季節も過ぎ去ろうとしていた。

そうしてこの間にあって、彼は田舎の母親へ数回手紙を出しそこねた。

――身のおちつくまでお待ち下さい――というのが、彼の母親への文面の主要なるものであったが、しかし彼にはどうしてもそのことが書き流せなかった。

そのうちについ書くことが消えてしまい、そうしてとうとうそれは忘れるともなく全く忘れ果てしまった。

―――――

私には悲しく思われます。

あなたが決して嘘を申されたとは思いませんが、此度あなたのなされた態度は無情なものです。

私は親切を売物にしたのではありませんが、すべて水の泡となって消えたのでしょうか。

善は急げとか申して居ります。

一刻も早くお話のこと実行なされては如何です。

母上からは三度程お手紙がありました。

……

―――――

彼は横に腹這いながら美角夫人からの附箋づきの手紙を読んでしまって、思わずも……――これは全く――……と、訳の解らない一種の不快をおさえるかのように、彼自身へ言ってみた……