Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あるまりのいっしょう

あるまりの一生

小川 未明

Lesen Sie あるまりの一生 (あるまりのいっしょう) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.721 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

フットボールが、木枝の蔭で、小さくなっているのを、空の上で、雲が、じっと見ていました。なぜなら、雲は、まりが子供らから、いじめられるのを、かわいそうに思っていたからであります。

雲は、だれにも気づかれないように、そっと空から下へ降りてきました。

「フットボールさん、お気の毒です。私は、なんでもよく知っています。あなたほど、やさしい正直ないい方はありません。それだのに、毎日、ひどいめにおあいなれされています。幸い、だれも、いまは気づきませんから、この間に、私といっしょに空へおいでなさい。そうすれば、もう、みんなの手がとどかないから安心です。そうなさい。」と、雲はいいました。フットボールは、こういわれると、日ごろから、空にいて、じっと下を見ていた白い雲でありましたから、なつかしそうに、

「ごしんせつにいってくださって、ありがとうぞんじます。私みたいなものが、あの美しい空へいって、すんでいるところがありましょうか?」といって、たずねました。

雲は、にこやかに笑いました。

「それには、いい考えがあることです。はやくなさらないとだめですから……。」といって、雲は、まりを急きたてました。