Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あるひのれんげつに

ある日の蓮月尼

岡本 かの子

Lesen Sie ある日の蓮月尼 (あるひのれんげつに) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.878 Zeichen · 25 Bildschirme

Aozora Bunko

今日もお蔭さまで昼は縁を四五十遍も登り下りする程存分働かしてもらいまして、また今夜は皿や鉢が七八つ描けました。こんな晴々したことは御座いません。

老僧 ――まめなお人だ。過ぎんようにしなされよ。

蓮月 ――有難う存じます。

老僧 ――ほい、思い出した。あんた大根の葉がえらい好きなそうやな。

蓮月 ――ほほほほ。わたくしは鶏の生れ代りで御座います。

老僧 ――そしたら今夜、わしとこで大根の葉と揚豆腐を煮たからあげようわい。一寸竹藪まで来なされ。

蓮月 ――折角で御座いますから、では頂きましょうか。

(蓮月庭に下り半身を竹藪の中へさしいれ、やがて皿を両手に持って出る。)

老僧 ――どうじゃ、皿は無事か。

蓮月 ――無事で御座います。

老僧 ――藪越のものの遣り取りも稽古が積んでうもうなられた。

蓮月 ――ほほほほほ。

老僧 ――ははははは。

(蓮月、座敷に戻り皿を経机の上へ置き、紙を一枚女らしくかける。)

蓮月 ――まあ、こんなに沢山恐れ入ります。

老僧 ――なんの、まだいるようなら明日もまた上げよう。

蓮月 ――いえ、もう充分で御座います。

老僧 ――あーあ、大分眠うなった。小用を足して来てから――楽寝としょうか。