Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あるひのれんげつに
ある日の蓮月尼
岡本 かの子
Lesen Sie ある日の蓮月尼 (あるひのれんげつに) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.878 Zeichen · 25 Bildschirme
無名の青年 ――僕の愛は死や無常では覆えされない積りです。僕の愛は永遠にあなたを活かし切ります。
蓮月 ――それはまだお若いあなた方の仰る事です。わたくしとてあなた方の年頃にはそうも云い、そうと思い込んで居りました。然しいよいよ事実に遇って――身辺に触れ合うあたたかい掌が無くなり、くしけずって遣る小さい頭の髪の毛が目前になくなった時、どうして、愛の、永遠のと呑気な事がいって居られましょう。実際にあれ等はみな無くなって仕舞うのです。そして残された切ない心だけが、わたくしを削り虐みます。それでこんなにも愛するものを見捨てて行った死者はあんまりに身勝手だと、あまりの絶望に死者に対して変態な恨み方をしたことさえございます。
無名の青年 ――…………。
蓮月 ――これまでお聞きになって、まだあなたはわたくしを愛に繋ごうと云うお気持になれますか?
無名の青年 ――それではあなたは絶望の儘、ただ一人の親のため空骸のままで生きて行こうとして居られるのですか。何と云う酷たらしい生き方だろう。それを伺ってはなおさら力になって上げたいと思います。
蓮月 ――ほほほ、御同情にはお礼を申します。