Japanische Klassiker mit Furigana
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あるおんせんのゆらい
ある温泉の由来
佐々木 邦
Lesen Sie ある温泉の由来 (あるおんせんのゆらい) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.655 Zeichen · 30 Bildschirme
早川君は銀行に勤めるようになってからも、日曜毎に遊びに来た。その一年間雨の降らない限り殆んど欠かさなかった。友達もこれぐらいになると貴い。
「君は実に精勤だね」
と僕は褒めてやった。
「お蔭でもうソロ/\一人前の銀行員になれそうだ」
「銀行の方は無論そうだろうが、此方さ、友情の精勤だ。面白い話もないのに、よくやって来る。君の方からばかり来て貰っちゃ済まない。此方からも些っと行くことにしよう」
「いや/\/\」
「構わないのかい?」
「うむ。一向苦労にもならないんだから」
「今度の日曜は僕の方から行く」
「いや/\/\」
「何故?」
「思い切って、言ってしまおうかな?」
「次第があるのかい?」
「うむ。複雑な心理が働いている」
同じ荒神風呂に中島屋という家がある。以前は僕のところの小作で荒物屋をしていたが、長男と次男がアメリカへ稼ぎに行って金を送るから、近頃は裕福に暮している。家も新築した。一番末の娘が僕達に一年後れて女学校を卒業した。ナカ/\綺麗な子で、成績が素晴らしく好いという評判だった。早川君は通学の当時この娘さんの姿を見かけると、澄し返るのが常だった。或時、冗談のように、