Japanische Klassiker mit Furigana
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いたずらこぞうにっき
いたずら小僧日記
佐々木 邦
Lesen Sie いたずら小僧日記 (いたずらこぞうにっき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.226 Zeichen · 128 Bildschirme
にやにやではあるが、兎に角笑っているのだから大した事はあるまいと思って乃公は入って行った。乃公は此処で晩飯の時まで算術をやるのだそうだ。問題を十ばかり当てがって、奥さんは鍵をかって出て行ってしまった。
乃公は問題を一つ半ばかりやったら可厭になった。三時と四時の間で時計の針の重なる処を知りたけりゃ、時計を廻転して見れば分るじゃないか、何も乃公に聞くには当らない話だ。光線が太陽から地球迄届く時間を知っていれば豪いようだが、今飛んだ跳ね炭の火の行方が分らずに、火事にはなりはしまいかと心配するようでは馬鹿気ている。乃公だって時計の針ぐらいは分るのだけれども、寒くて手が亀屈で石筆が持てないから仕方がない。
ストーブを見たら、灰の中に猫の眼のような火が二つ光っていた。乃公は早速机の上にあった本を破ってくべて見た。なかなか燃え立たない。燻って目が痛い。乃公は腹が立ったからどしどしとくべた。くべればくべる程咳が出て仕様がない。
其の中に此はしまったと気が付いた。昨日乃公は何もする事がなかったから、此ストーブの煙筒に土を填めて置いた。これでは燻ぶる筈だと思って消そうとしたが容易に消えない。