Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
うすゆきしょう
うすゆき抄
久生 十蘭
Lesen Sie うすゆき抄 (うすゆきしょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.454 Zeichen · 59 Bildschirme
御書講に出仕したこともある才媛で、理非の弁別のはっきりした、非情なまでに折目正しい、身のうちに温味があるのかと思うような冷々と冴えかえった感じで、この母胎なら、どんな向う見ずな生命でも、とうてい宿りようがなかろうと思ったからである。
道益は円明の占示に鼻を明かしてやったつもりで居たが、所詮は無益なわざであって、三年とたたぬうちにつぎつぎに男と女の子が生まれ、宿命というものの執念の深さを、はっきりと思い知らされた。
長男のときは、賀茂宮で一万遍の大祓をした選名が道長と告示されて気をよくしたが、女の子のときは薄雪と出た。薄雪ははかないものにたとえ、薄命の掛言葉にさえなっているのだから、道益は腹をたて、訓だけとって行子ともじり変えてしまった。
「これこそ因果というものの姿なのだろうか。あわれなことに、二人の子供はそうまでとは望みもしないほど日ごとに美しくなりまさった」と松月尼が歎いている。道益と資子は二人の子供が白痴か片輪か、眼もあてられないほど醜くあってくれたらと思ったにちがいない。いずれはただならぬ死にかたをする子供らが、日に日に愛らしくなって行くのを見るのはやりきれたものではなかったろう。