Japanische Klassiker mit Furigana
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うすゆきしょう
うすゆき抄
久生 十蘭
Lesen Sie うすゆき抄 (うすゆきしょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.454 Zeichen · 59 Bildschirme
せずに抱かれたままになっている。
その時、邸の横から月三匁で雇っている兵隊が二人、非時の見廻りに出てきたが、蒼白い月影を浴びながら行子を抱いて立っている小狩衣の姿を見ると、小腰をかがめて丁寧に礼をし、逃げるようにいま来たほうへ引返して行った。
いったい資子はなにをしているのかと、三層上の部屋へ踏みあがって行くと、寝た間も気を昂らしている癇走った御料人が、蒼白んだ小鼻のわきに寝脂を浮かせ、前後不覚に御寝なっている。
一家の頭目たるものには、家族一人一人の責任がかかっているわけだが、道益ほどの男になると、しでかした誤ちをいちいち叱ったりしない。誤ちが大きければ大きいほど、無感動な態度を装う。叱ったりなじったりするより、おだてあげて、悪達者に仕あげ、つまらぬ誤ちを繰返さぬように上手に揉みほぐしてしまうのである。
道益としては、差当ってなにも言うことはない。下の座敷に褥を敷かせ、その夜は心ゆくまで熟睡し、さて翌朝になって考えたのは、頑是ないような行子が、どういう方法であんな離れ業をやり遂げたかということであった。そこはぬかりのない男だから、ときどき前触れもなく娘の部屋へ上ったりするが、いつ行ってみても、行子は贅沢な南蛮調度のなかにおっとりとおさまり、高根という侍女を相手に双六の骰子を振りながら、