Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うずめられたかがみ

うずめられた鏡

小川 未明

Lesen Sie うずめられた鏡 (うずめられたかがみ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 5.962 Zeichen · 12 Bildschirme

Aozora Bunko

「まあ、こちらへいらして、ごらんください。」と、助手の小田さんは、先に立って、博士を、しんとした、うすぐらい研究室へ案内しました。

そこには、大きなろうそくが、ともされていました。かげろうのうごくように、ろうそくの火は、下におかれた鏡のおもてを照らしていました。

博士は心をおちつけて、鏡をのぞくと、そこにあやしげな身なりをした、男女がならんで、おぼろげに浮き出ていました。

年とった、この考古学者は、しばらく目を、鏡からそらさずに、沈黙していましたが、そのうち、うめくように、

「ああ、やはり女は、七人のうち、この鏡をくれた男だけを、深く愛していたとみえる。」と、はじめて、そのなぞが、解けたといわんばかりに、ひくい声でさけびました。

「先生、するとこの女は、貞操をまもりたいばかりに、だまって死をえらんだのですね。」と、小田さんが聞きました。

「たしかにそうだよ。死んでから、地下で二人は、永久の幸福をもとめて、約束をはたしたんだね。」と、博士は答えました。

「西洋流ですと、婚約の指輪をおくる風習がありますが、東洋は日本でも、昔から、女の心をうつすといって、鏡をたいせつにしましたが、婚約にも用いられはしなかったでしょうか?」