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Japanische Klassiker mit Furigana

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おおかみとひと

おおかみと人

小川 未明

Lesen Sie おおかみと人 (おおかみとひと) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.224 Zeichen · 9 Bildschirme

Aozora Bunko

そのとき、彼はちょっと振り返ってみますと、黒いおおかみは、すこし彼から離れたところにきて立ち止まっていました。

「どれ、家へ入ってから。」と、与助はいって、戸を開けて躍り込みますと、あわてて後ろ戸をピーンと閉めてしまいました。そして、堅く棒をかって、にわとり小舎の前にいって、内をのぞいてみますと、六羽のにわとりは、よくふとって、とまり木に止まって安らかに眠っていました。

「どうして、このいいにわとりを一羽だってやれるものか。毎日卵を産んでいるのに。」と、与助は独り言をしました。そして、いくらおおかみが暴れたって、あのじょうぶな戸を破って入ることはできない。もしそんなときは、鉄砲も刀もあると考えました。

彼は、それよりおおかみへの約束などはかまわずに家へ上がって、今日はまず無事でよかったと喜んで、夕飯の膳に向かって、酒を飲みはじめたのであります。

彼は、戸の外に立っているおおかみはどうしたろうと思いましたが、まさか開けてみるだけの勇気もありませんでした。彼がだいぶさかずきを重ねて、いい心持ちになったころ、ちょうど村はずれの方にあたって、ものすごいおおかみの鳴き声を聞いたのであります。