Japanische Klassiker mit Furigana
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おけらになったはなし
おけらになった話
小川 未明
Lesen Sie おけらになった話 (おけらになったはなし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.798 Zeichen · 8 Bildschirme
「神さま、私は、人間に生まれてきたばかりに、つい、みんなよりも楽をし、またおもしろいめをしようとする気になりました。それで、うそをついたり、他人のものを盗んだりしたのです。私は人間になりたいとは思いません。ほんとうに一ぴきの虫でもいいから、この強欲な心と不正の考えを、私からうばってください。そして、私を虫にしてください。私は、虫となって、神さまのおぼしめしに従って、自由に生活をしたいと思います。神さま、どうぞ、私を虫にしてください!」と、いっしんに、牢の中で祈ったのであります。
ある朝のこと、男は、そこに見えませんでした。番人は、夢かとばかりにびっくりしました。
「あの男は、どこへいったろう? ねずみでさえこの金網の目はくぐれないはずだ。ふしぎなこともあればあるものだ。」といって、さわぎたてました。
役人たちは、集まってまいりました。そして、みんなは、頸をかしげました。
「この世の中に、魔法を使うというようなことが、はたしてあるものだろうか?」
錠のかかっているのを役人たちははずして、狭い牢の扉を開いて中へはいり、くまなく、あたりを調べてみました。
このとき、一ぴきのおけらが、入り口から出て、だれも、それに気のつかなかったまに、町の方を指して、大地をはっていったのであります。