Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おせん

おせん

邦枝 完二

Lesen Sie おせん von 邦枝 完二 (くにえだかんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.074 Zeichen · 148 Bildschirme

Aozora Bunko

――あたしゃそんな人なんか、ひとりもありァしませんよ」

「ほほほほ。お怒りかえ」

「怒りゃしませんけれど、あたしゃ男は嫌いでござんす」

「なに、男は嫌いとえ」

「あい」

「ほんにまァ。――」

この春まで、まだまだ子供と思っていたおせんとは、つい食違って、一つ盥で行水つかう折もないところから、お岸はいまだにそのままのなりかたちを想像していたのであったが、ふとした物音に駆け着けたきっかけに、半年振で見たおせんの体は、まったく打って変わった大人びよう。七八つの時分から、鴉の生んだ鶴だといわれたくらい、色の白いが自慢は知れていたものの、半年見ないと、こうも変るものかと驚くばかりの色っぽさは、肩から乳へと流れるほうずきのふくらみをそのままの線に、殊にあらわの波を打たせて、背から腰への、白薩摩の徳利を寝かしたような弓なりには、触ればそのまま手先が滑り落ちるかと、怪しまれるばかりの滑らかさが、親の目にさえ迫らずにはいなかった。

嫌いな客が百人あっても、一人は好きがあろうかと、訊いて見たいは、娘もつ親の心であろう。

四

「若旦那」

「何んとの」

「何んとの、じゃァござんせんぜ。