Japanische Klassiker mit Furigana
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おるすばん
おるすばん
壺井 栄
Lesen Sie おるすばん von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 6.306 Zeichen · 13 Bildschirme
そのあおざめた顔色は、子供の和子にとっても、いいようのない心配の種でした。お父さんと二人では外を歩いていてもあまり面白くありませんし、お父さんも心配なのか、すぐに宿へ引き返して、三人はほとんど部屋の中ばかりですごしました。村へ帰ると、そのままお母さんは床についてしまい、そしてふたたび学校へ出られるほどの元気をとり返すことができないままに二年間をすごしました。その間に三度ばかり、お父さんが帰宅しましたが、二三日たつと、お父さんは又船へ帰らねばなりませんでした。
ある朝井戸ばたで顔を洗っているおじいさんに向って、お父さんが、
「私も、もう船をおりて家で百姓をしたりようけいをしたりしようと思うんですが、どうでしょう。」
と小さな声で相談をかけますと、おじいさんも小さな声で、
「それがよかろう。もも子(お母さんの名)も気丈夫じゃろうしわしも心丈夫じゃ。あれにもしものことがあると心細いでな。」
かまどの前で朝の仕度をしていた和子は、それを聞くとただごとでないのが分り胸がどきどきしてきました。お父さんは和子のそばへよってきて、
「和子、お母さんを大事にしてあげておくれよ。