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Japanische Klassiker mit Furigana

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おくみさんとそのしゅうい

お久美さんと其の周囲

宮本 百合子

Lesen Sie お久美さんと其の周囲 (おくみさんとそのしゅうい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.369 Zeichen · 149 Bildschirme

Aozora Bunko

お関にはお久美さんの事も気になりながら、一方では自分の若い時の子の重三の事を種々近頃になって思い出して、丁度自分に子のないのを好い口実にしてどうにかして養子格にして家に入れたいと云う事を非常に願って居た。

けれ共もう二十年以上も会わないのだからどんな男になって居るか、何をして居るのかまるで分らなかったし、又それを山田の主人に切り出す折もなくて居た。

お関はY県に居る自分のたった一人の子の事を種々な不安と憧憬を以て折々考える様になって来て居た。

所へ恭吉が洗濯男として山田の家へ住み込んだと云う事は種々な点でお関の心に動揺を与えたのである。

町の呉服屋の世話で信州の生れだと云う彼の来たのは去年の春であった。

紺の股引きに破れ絆纏ばかりの小汚い者を見つけて居るお関の目には、麦藁帽子を軽く阿彌陀にかぶって白い上下そろったシャツと半ズボンでどこかしゃんとした恭吉の姿が実物以上に立派に見えたのは確かである。お関は非常な興味を以て色白な顔だのまだ一度も砂ほこりを浴びた事のない様な艷やかな髪などを見て居た。

かなり透明な声、陽気に調子よく吹く口笛、その他荷の中に持って来た何かの横文字の本、何から何までがお関には一種の幼い驚異の種であった。