Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おじょろうぐも

お女郎蜘蛛

宮本 百合子

Lesen Sie お女郎蜘蛛 (おじょろうぐも) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.913 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

犬がほってにげたら空の鳥が来てたべるだろうワ。……ねえ」

すんだ声で女は云った。男は芝居の科白を云って居るとは思わなかった。

「何云ってるんだろう……気味の悪い人だ、そんなにおどかさずにおくれ」

「おどかしてあげる、――どこまでもあんたが弱ってへとへとになって死んでしまうまで」

「そんな美くしいかおをしてそんなこわらしい事を云うのは御よし……」

「およしだって、貴んたは私になんでも御よしと云う事は出来ないと思ってらっしゃい。エエそうだ私は世の中の男をおどしてビックリさせて頓死させるために生れて来たんですもの――」

「お前、恐ろしくはないんかい。マア、そんな事を云ってホンとうに娘らしくない」

「恐ろしい、世の中に恐ろしい事なんかはありゃあしませんわ」

「私は今までにないほどの男にかける呪を作ろうと思ってるんですもの、わら人形に針をうつ様なやにっこいんじゃあないのを……呪――好い響をもった言葉でいい形こうの字だ事」

男はおびえた眼色をしてこの話をきき女は勝利者の様な眼ざしをして話した。

「いやな事云うのはもうやめにしてどっかへ行こう、サ、私は後がひやっこい様な気がする――」