Japanische Klassiker mit Furigana
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おとうさん
お父さん
林 芙美子
Lesen Sie お父さん (おとうさん) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.548 Zeichen · 76 Bildschirme
くろだいは、じっと耳をすませていました。ことっことっと何だか自分のそばを走っているものがあります。くろだいはこわくなってきて、うろこをガラスのようにかたくしていました。ここが海の中だったらいいとおもいました。どうして、あの時につかまってしまったのかと、くろだいはしずかな気持になって泣きました。あんまり泣いたので、大きい目玉に血がのぼってきました。水のないところなので、何でもかわいてしまいます。第一、しつぽもひれも固くなってうごきません。夜があけて来た時には、くろだいはかんがえることまでかたくこおりついていました。朝になって、うろこをほうちょうでそがれたのも知りませんでしたし、切身になってお塩をふられたこともわかりませんでした。夜になってじいじいとやかれた時には、くろだいのはだからおいしそうなあぶらが出ていました。もうからだは小さく切身になっていたので、くろだいはほんとうに何もかんがえる事も出来なくて、たましいだけが海の天国へふわふわおよいでかえりました。
僕は、やっと作文が出来たので、ほっとしました。静子はおかっぱのかみを時々かきあげながら熱心にかいています。