Japanische Klassiker mit Furigana
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おとうさん
お父さん
林 芙美子
Lesen Sie お父さん (おとうさん) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.548 Zeichen · 76 Bildschirme
「僕、いやだなあ」
「いやだっていっても、僕たちは戦争に敗けたんだよ。当分はぜいたくなことはいっていられないよ。みんな、いっしょにくるしむ時代なんだから。――おとうさんは、お前たちだけは何も知らせないって気持はないから、何でも話しておくけど、戦争に敗けたということをなまぬるく考えていちゃいけないのだよ。戦争に敗けることが、このくらいのなまぬるさだったらまたいつか戦争みたいなことがおこりかねないね。永久に戦争ってなくしたいことに努力するのが、いまの人たちの責任なんだよ」
おとうさんは暑いので、アンダシャツ一枚で台所をしています。蛇の目の傘の破れたのでくしをつくって、おとうさんはうなぎのきもを焼いています。
とてもいい匂いがして、弟は早く食べたいとさわぎます。
静子はキャベツをこまかく切っています。
「ねえ、健ちゃん、もうこれで四円ぐらいキャベツ切っちゃったわ」
といっています。
食物がこんなにたくさんあると、僕は何だか変です。夜はパンをつくるのだそうです。僕は粉ひきで麦をひきます。手が痛くなったけれど、がまんしてハンドルをまわします。
キャベツのはいったパンを食べるなんてどんなにおいしいだろうとたのしみです。