Japanische Klassiker mit Furigana
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くもとくさ
くもと草
小川 未明
Lesen Sie くもと草 (くもとくさ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.228 Zeichen · 5 Bildschirme
しかし、ちょうは、ちっともそのことを知りませんでした。
「ちょうさん、あなたのきれいな羽をお気をつけなさい。細い糸にかかりますよ。」と、花は、ちょうに注意をしました。
ちょうは、びっくりしました。そして、目をあたりにくばりますと、なるほど、細い糸が葉の間に、茎と茎の間にかかっていて、それには、かや、はえの死骸が、あるかなきかに残っているのをはじめて見ました。
「ほんとうに、油断がなりませんのね。あなたが注意してくださらなければ、もうちょっとでわたしは、網にかかるところでした。」と、ちょうは、花弁の上にとまって、心から感謝しました。
「ご機嫌よう」
日が暮れかかる前に、ちょうと花とは、たがいにこういって、別れを惜しみました。
ちょうが、見えなくなると、怖ろしい顔つきをしたくもが花の上にのぼってきました。
「おまえは、なんで、ちょうにいらない注意などをするのだ。」といって、花に向かって、くもは、なじりました。
「あなたは、かってに、私の家へ巣を張っているのでしょう。どうか、早くここからほかへいってください。」と、花は、かえって、くもに向かっていったのです。
すると、くもは、たいそう怒りました。