Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme
「昨日休んでいないと今日は何うにか都合をつけて奈良までお供をするのですがね」
と銀行員は如何にも残り惜しそうだった。
「まあ/\、紳士の資格を得るまでは辛抱して勉強することだね」
と三輪さんは先生らしい訓諭をした。
「何うも種々有難うございました。お蔭で上野は頗る材料豊富になりました」
とお父さんは真正に何か書く積りのようなことを言って謝意を表した。
「東京で鮨を喰べるときには必ずあなたのことを思い出しますよ。何卒御健在で」
と団さんもお礼を述べ、それに和して田鶴子さんと僕が幾度もお辞儀をした。
緩やかな渓流伝いの笠置辺は何となく長閑で春の旅という感を深からしめた。ところ/″\にマンモスのような巨岩が寝そべっている為めかその間に浮んでいる川舟や男女の人達が馬鹿に小さく見える。皆遊山の客らしく、中には僕達の汽車を目がけて喝采を揚げるくらい酔っているのもあった。
「鮎の捕れそうなところだね」
とお父さんが言った。
鮎の話は先刻から二人連れの乗客が始めていた。
「この辺の鮎は昔の座頭と同じように京へ上りますが、品の好い丈けに弱い魚ですから、生かして持って行くのに大骨を折ります。