Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme
「何うです? 公園でも御見物になりましたか?」
と仰有った。
「公園どころじゃありませんよ。十一時から今しがたまで常子が立て続けに御案内申上げたのですって」
とお母さんが笑いながら答えた。
「それは/\。お草臥れでしょう。常子は性急だからね。大抵のお客さまは辟易するよ」
とお父さんも笑い出した。
常子さんは一人娘だ。万事独占で我儘が利いて好かろうと思うが、喧嘩相手がないと淋しくていけないそうだ。田鶴子さんにも僕にも下が大勢あると聞いて、
「真正に結構でございますね。お姉さんお兄さん丈けに何処となくキチンとしていらっしゃる」
とお母さんが羨ましがった。
「私だって他所さんへ上れば一時間や二時間はキチンとしていますわ」
と清瀬さんは黙ってはいなかった。
「この通りですからね。一人娘は親の見境がありません」
とお父さんが諢った。
「宅では代々一人だそうです。遺伝でしょうかね?」
とお母さんが訊いた。
「悪い事は何処でも皆遺伝へ持って行く。隣家の吉田さんでも遺伝の所為にしているよ」
とお父さんが言った。
「でもお隣では一人もないじゃありませんか。一人もないのが遺伝なら御本人達の生れてくる筈がないわ」