Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme
斯う人間よりも米俵を大切にする地方ですから、浮塵子も一つ方針を変えて、寧ろ内米の浪費宣伝をする必要がありますよ」
その中に常子さんは突然問題を千百余年の昔に戻して、
「田鶴子さん、今の奈良市をその頃の都と思っていらっしゃると大間違よ。私、講義をして差上げますわ。昔の奈良は今の停車場の彼方から郡山の一角へかゝっていて、京都に劣らないくらいの大都会でございましたのよ」
と地図を拡げて説明を始めた。
「常子は何時も見ていたように言うね」
とお父さんがニコ/\した。
「見ていましたとも。その頃この辺は全くの田圃続きで、春先になりますと都の人達が先刻御案内申上げた嫩草山の摘草や興福寺東大寺への参詣がてら三々五々郊外散歩に来たものですわ。そうして都が京へ遷って跡が畑になってしまっても、この辺のお寺丈けはその儘残っていましたから、日曜から土曜へかけて……あら、間違った……土曜から日曜へかけて京から役人や会社員が息抜きに来る、大阪神戸辺から女学校の修学旅行も来るという有様でした」
「常子さん、時代錯誤はいけませんよ」
と田鶴子さんが故障を申入れた。新婦人の雛っ子は時々こんな六ヶ敷い口の利き方をする。