Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme
実際ピックウィックでもヂッケンズでもない。閑人のやる遊覧旅行だ。お母さんの責め立て方が追々厳しくなったので一寸気を抜く為めに、世態人情の探究に託けて少時家を明ける魂胆としか受取れない。清一郎は何でも支度に念を入れ過ぎるから、肝心の仕事にかゝらない中に倦きが来てしまうと仰有って、お祖父さんは笑っている。今仮りに本気で何か書く積りでいるとしても、それは思い立った当座だけのことで、日本中歩いてしまう頃には又御意が変るに相違ない。矢張りお飾りの数を余計潜っただけあって、お祖父さんは家のも里のも目が利いている。お父さんは到底愚迂多羅兵衛だ。
僕はこんな風に考えて、お父さんに世間並のことを期待するのを諦めてしまい、もう何うでも構わないと思っていたが、不図或日のこと、お父さんの遊覧旅行に切実な興味を持たなければならないような立場になった。掌を翻したようで可笑しいが、僕は今はお父さんに日本中の面白いところを是非隈なく歩いて戴かなければならない。その次第は先ず斯うだ。
僕が学校から帰ったのを見かけて、妹の愛子と歌子がニコ/\しながら僕の部屋へ入って来た。
「兄さん、お父さんは御旅行なさるんですってね?」