Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme
それは然うと小川さんは大分待たせた。或はその儘拘留になってしまったのではなかろうかと奥さんの目の為めに聊か不安を感じ始めた頃、元気好く帰って来て、
「や、失敬々々。馬鹿な話さ」
「何うなさいましたの?」
と奥さんは早速尋ねた。
「でも無事に帰って来て宜かったよ」
とお父さんが冗談を言った。
「矢っ張り柄にない文学書なんか註文するもんじゃないね。散々油を取られて来たよ。彼奴は巡査部長か知ら? いやに威張っていやがる。『おいこら』なんて全く罪人扱いだ」
と小川さんは憤慨していた。
「妙でございますわね。実業家が文学書を註文しちゃ悪いのでございましょうか?」
と奥さんが聞き咎めた。
「否、それがさ、徳川時代の文学の積りで註文したんだが、案外好くない本でね、まあ詐欺に罹ったようなものさ」
と小川さんが頻りに取り繕っているのに、
「徳川時代の何だね――物は?」
とお父さんは一向察しがない。
「去年のことで名は最早忘れてしまったよ」
「うまく言っているぜ。風俗壊乱だから註文したんだろう? 何うも当てにならない謹厳だと思っていた」
「まあそんなに言うなよ」
「しかし知恵がないね。